週刊大阪日日新聞

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2020/6/27

大阪発 ザ・論点 

国はコロナで「力」使い果たすな

吉岡 利固 (週刊大阪日日新聞社 社主)

 全世界規模の新型コロナウイルスで、対策に明け暮れる日々だ。幸いわが国では、感染拡大の峠を越え19日からは都道府県境をまたいだ往来も解禁された。しかし私は、近い将来世界的な経済混乱が必ず起こると見ている。むしろ水面下で既に崩壊の道をたどり始めていて「コロナでそれが早まった」と見るべきだ。コロナ退治ができたとしても恐慌といえる不況は必ず襲ってくる。

リーダー不在の世界

 世界の資本主義国は豊かさに慣れた大多数の国民が働かなくなり、行き詰まった。富の偏在が著しく貧富差が拡大、貧しい人々は逆転機会が極端に減り下流社会が定着した。その結果、出現したのはトランプ米大統領やジョンソン英首相ら支持者だけを相手とし「強いリーダー」を演じながら、実は世界はおろか自国すらまとめ切れない愚かな指導者たちだった。産業革命以降、自由社会をリードしてきた米英は急速に階段を転げ落ち、後継国はどこにも見当たらない。

ばらまきは無意味

 日本はどうだろう? 先の戦争で焼け野原になったが、立派なリーダーが国を引っ張り、国民は歯を食いしばって勤勉に働き、世界の一流国となった。しかし、今では働き方改革≠ナ休むことばかりに目が向き、人間関係も横並びへと移り、若者はリーダーも欲しないし男女の役割分担も過去のものとなった。

 そこにコロナが襲いかかり、政府は緊急事態宣言で経済活動を急停止させた。安倍政権の対策は、お金を個人や自治体、企業にばらまき国財政をさらに悪化させただけ。第2波、第3波の感染拡大に襲われたら、再び宣言を発してお金をばらまくのだろうか? そんなことはできるはずがない。

 元々、コロナは台風や地震などと同じ天災。被害に遭った人や組織を適切に素早く救済すれば済む話しだ。時代遅れで市場から必要とされていない店舗や企業を同一視し救うために税金を投じるべきではない。

 本来、日本経済活性化のポイントは国内個人消費を伸ばすことなのだが、少子高齢化時代に難しい。かつての大量生産大量消費の再現は不可能で、消費者に「ほしい」と思ってもらえる高付加価値商品を産み出す不断の努力が必要だ。ビジネスの基本である信用や実績の積み重ねは、今はやりのオンラインだけで簡単に生まれるはずはなく、あくまで地道な努力とリアルな対面交渉が欠かせない。

生き残りへ発想転換

 リーマンショックは金回りが目詰まりを起こしただけだったが、コロナショックは人と物の実体経済の流れを世界規模で破壊した。その手当に資金だけをジャブジャブと市場に投じても行き所がなく株式投資に回って乱高下を呼ぶだけで、経済活性化にはほど遠い。かつては恐慌後、強国同士の勢力拡張争いの結果世界大戦を引き起こしたが、今や国単位ではなく企業や個人も国境を越えて流動化。それぞれ体力勝負だ。

 自由主義社会の良いところは、リーダーを自分たちで自由に選べることで、その結果は自己責任が伴う。今こそ過去に捕らわれぬ大胆な発想の転換で、自らの生き残る道を見定めねばならない。そのことをもう一度皆で意識し、自らの知恵で来るべき大波への対策を一刻も早く急いでほしい。

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