週刊大阪日日新聞

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2021/1/16

過去経験で乗り切れぬ時代 

週刊大阪日日新聞社主 吉岡利固

 新型コロナウイルスまん延で世界中が明け暮れた年が終わり、新しい1年がスタートした。いつもなら皆さんに新年の祝詞からお届けするのだが、今年は初詣なども自粛、自粛。年末年始帰省の親戚家族や友人の行き来もはばかられ、喜びを感じにくい奇妙な年の始まりだ。

コロナ禍に日米首脳交代

 スペイン風邪大流行からちょうど100年、わが国を含めた世界中が新型コロナの大波にのみ込まれた。生ける者誰もが経験したことがないコロナ禍に、世界中で失業倒産が相次いだ。わが国の緊急事態宣言をはじめ、各国も活動自粛の繰 り返しであらゆる経済活動にブレーキが掛かり急失速。

 なのに内外とも株価だけが暴落せず、逆に上がり続ける異常事態。各国とも経済失速を恐れ「景気対策」と称し大量資金を市中ばらまき。昨年末に成立したわが国の第3次補正予算は国債大量発行による歳出約22兆円と、当初予算の4分の1近くに達した。年間国債発行総額は約113兆円に膨れ上がり、過去最大だったリーマンショック後の09年度を倍以上も上回る。見せかけ株価の裏で、国力は急速に低下している。

不況で上がる株価のナゾ

 本来、国は税金を集めて その範囲でしか国民を助けられない。頼みの税収はコロナ禍で当初見込みより大幅に落ち込んだ。

 その一方で株価は、コロナで一時値下がりしたがその後どんどん値上がりして、日米とも高値で推移している。企業はおしなべて経営体力が落ち込んでいるのに株価だけが上がり続けている。コロナ対策で市中にあふれた資金が需要もないまま株式投資に流れ込み、公的資金も大量に株に注がれジャブジャブの状態。その分、痛みを伴って変えていかねばならない真の経済構造改革は後手に回る。経済と財政の実態がかい離した状況はいずれ破綻する。

立ち止まる暇はない

 「今年の漢字」に選ばれた昨年を象徴する文字は『密』。もちろん「3密」から来ており、以下「禍」「病」などコロナを現す文字が並び、他のことは何も印象に残っていない。

 現実は、米大統領選で独り身勝手に暴れ回ったトランプ大統領が再選に失敗し今月下旬には退場。日本では憲政史上連続と通算でダブル最長と盤石のはずだった安倍晋三首相が持病悪化で2度目の辞任。日米のトップがあっけなく交代だ。米国も日本も、政治家は表面的に力強くとも内実は意外にもろいものなのだ。

 今年最も確実なのは解散 あるいは任期満了による総選挙の実施。リーマンショック後は与党自民党が負けている。その鍵を握る世界経済の行方は、新たな米中間の駆け引きでどう転ぶか極めて流動的なのだ。

不確実な時代への対処は?

 トランプ大統領の「アメリカ・ファースト(米国第一)」も、安倍首相の「アベノミクス」も、退陣してしまえば失敗した政治家はそれ以上何の責任も問われない。しかし残された人々は歯を食いしばって地域や国を立て直し、次の世代に送り届ける責任がある。

 このような不確実な時代に、われわれは何をすべきなのか? まず過去の遺産 にあぐらをかいてその延長線上で物事を見守り、いたずらに公助をアテにするのではなく、自ら動いて活路を見いださねばならない。少子高齢化の日本で『働き方改革』を追い風に、のんびり立ち止まっている暇はない。人生100年時代が間近に迫っている日本は、80歳まで現役で働き続ける気概を持たないと国自体がもう回っていかない。

 昨年の初春は「いよいよ東京五輪の年」と日本中が夢と希望にあふれていた。人々は不確実で先の見えない時代の突然の暗転を、コロナで嫌と言うほど実体験した。

 ずっと続くように見えた枠組みはアッという間に崩 壊し、市中では昨日までの勝ち組が一気に転落。ゆっくりと移り変わるはずのさまざまなステージが、一夜にして崩れ去った。

 生き残るためには自ら変わらなければならない。これまでやっってきた延長線上に答えがあると考えてはならない。元日を迎えてもなお「1年延びた東京五輪は本当に開かれるのか?」を、誰ひとり自信を持って答えられない今の日本の現実。

 コロナは遅かれ早かれ収束する日が来るが、戻ってくる日常はかつてと全く同じではない。そう考えると「皆で渡れば怖くない」「もうちょっと様子を見て」「迷った時は原点に」と信じられていた過去の経験による平穏な日々は「もう二度と戻らない」と腹をくくって、改めて覚悟を固めるべき厳しい年の始めだ。

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