2021/1/30
地元のキーパーソン
地元に寄り添うキーパーソンたち。心温まる珠玉の言葉が綴られた─。
マスク生活での肌トラブルも解消!
ポーラザビューティー城東緑店 ショップオーナー
吉田 美里さん

ポーラザビューティー城東緑店のオーナー吉田美里さん。「子育てしながら自分らしく働きたい」との思いで、2009年から同店のスタッフとして勤務し、18年から店を引き継ぎオーナーとなった。
引き継いだ当初は、不安と戸惑いだらけだったが、ずっと通ってくれるお客様にも支えられながら、今では20代から80代まで多くの人が通う人気店となっている。
昨年のコロナによる自粛期間は、スタッフとのミーティングにたくさんの時間を費やした。常に先の事を考えるようになり、担当するお客 様≠ノは自宅でのケア方法などをまとめた手書きのDMを送った。キャンセルは1件も入らず、お店を再開した時にはたくさんの人が待ってくれていた事を実感。感謝の気持ちでいっぱいになった。
今は多くの人が外出を控え、息苦しいマスクを常に着用するなど我慢している。自分では気づかなくてもそれがストレスとなり、体の調子や肌の状態が悪くなっている人が多い。
吉田さんはこれまでの経験から、体を触っただけで不調の原因やクセが分かるという。「肌トラブルはもちろんそれ以外でも、地域の人が『ここに来れば何とかなる』と思える存在になりたい」と話す、心強い美容のスペシャリスト。
女性と子どもたちの支援を
合同会社 桜シスターズ
吉田 恵子 さん 山ア 由紀子 さん 宮脇 悦子 さん(左から)

ボランティア活動をする中で出会ったという山ア由紀子さん、吉田恵子さん、宮脇悦子さん。経営者で同い年の春生まれ≠ニいう共通点から意気投合。女性と子どもの支援をしたいと「合同会社 桜シスターズ」を立ち上げた。
昨年の11月には、桜シスターズを含むボランティア団体11人で、城東区野江に「はっぴーWOMAN」をオープン。毎週土曜日の12時〜14時に子ども食堂を運営している。運営資金は平日に行うライブバーや貸切りライブの収益を。これを利用することで、客も社会貢献に関われる仕組みだ。
個々の活動も幅広く、山アさんは製本会社経営者で、職場での女性差別を経験。女性と子どもに貢献したいと思い、女性のいのちと健康を守るために活動している国際協力NGOジョイセフにも参加。
吉田さんは不動産会社の経営者として、保証人がいないシングルマザーでも借りられる家やDV被害者のシェルターなど、女性の住まいに貢献。宮脇さんは、建設会社を経営しながら、ホームレスへのボランティア活動や動物保護活動を行っている。
「今後も3人でさまざまな社会貢献にチャレンジし続けたい」と熱く語る。
企業の求める人物像とは? 求人はAKB方式≠ナ
テキックス株式会社 代表取締役
石田 秀朗さん

「私は求人広告を見るととても違和感があります。この会社は一体どんな人材を求めているのだろうか? と疑問になります」と話す、テキックス代表取締役の石田秀朗さん。リクルート時代に鍛えたノウハウと感性を生かし、20年前の就職氷河期ど真ん中だった学生らと中小企業を結ぶコンサルタントとして活動していた。
「大学のキャリアセンターではマナーや資格などを重視した指導をしていましたが、結局は働き手がどうしたいのか? が本質になります。雇い主も、誰でもいいというわけではないのに求人広告枠に記載されているのは勤務時間や待遇などの詳細がほとんど。こんな人物がほしい、こんな体験ができる、などの説明があまりなされていません」
石田さんは「何でも手に入る現代の若い人は、高い待遇よりは貴重な体験や楽しい職場環境などを求める傾向にある」と現代の若者の仕事観を分析。頑張っている社員、輝いてるスペシャリストがいる会社には、そこを目指して意識の高い人材が自然に集まってくる。それを石田さんは「求人はAKB方式だ」と締め括る。
生きにくいと感じている人たちの場所を作りたい
社会福祉法人正真会 兼任施設長
寺村 肇さん

「こころの病は、薬やカウンセリングなどである程度まで治せるが、だからと言って社会復帰がすぐにできるかというと、そうではない。働く場所や暮らす場所など、彼らが実践的に学べる場所を創りたい」と約20年前に設立。京橋にある神経内科専門、医療法人正正会分野病院の院長、分野正雄氏の下でデイケアの仕事をしていた寺村さんはこの院長の言葉に感銘し、施設長として立ち上げから関わってきた。
現在、生活訓練施設と、就労移行支援事業の社会復帰施設を運営する。まだ就労移行支援などという言葉がない時代から取り組んできた。「人間関係をうまく構築できず、働きだすと続かない人も多い。そんな人たちの支えになれたら。ただ、自分と向かいきれず、自分の特徴を活かせる仕事と出会えていないだけ」と話す。
現在20人ほどの人たちが訓練をしている。そのほとんどが、守られた環境でいるよりも、訓練を終え、社会に出たいと願う。「コロナ禍でも彼らは案外、動揺しない。職員の方が逆に支えられている」
同会のシンボルマークはキリン。キリンは共同で子育てをする。地域と関わりを持つのは、孤独な環境にならない、次世代の事を考えているのも一つだそう。みんなが活躍できる社会を目指している。
ダウン症児の家族が願う「あったらいいな」を叶える
特定非営利活動法人 ダウン症ファミリー総合支援 めばえ21 理事長
永田 和子さん

2014年4月、ダウン症児を持つ親と有志でボランティア団体を立ち上げ、その3年後に0歳〜18歳までを対象とした、ダウン症児専門の児童発達支援・放課後等デイサービス「めばえ21」を開設した元看護師の永田和子さん。その他にも、ダウン症についての啓発イベントや勉強会・講演会、きょうだい支援など活動は多岐にわたる。
自身は流産を4回、死産を1回経験し、42歳の妊娠の時に「21トリソミー(ダウン症候群)」が判明。「泣いて悩みましたが、生きることができる命だと思い出産を決意しました。生み育てて分かったことは、障がいがあっても愛しい我が子であることに何ら変わりはない。ダウン症のある子どもたちはスモールステップで療育すれば、ゆっくりですが必ず成長します。出生前後にダウン症の告知を受けて悩まれている方は、ぜひ私たちを頼ってほしい」と話す。
同施設では次のステップとして、四年制の「なんちゃって大学」を計画中。「ダウン症のある子たちにも青春を謳歌しながら、社会に出るための準備ができる場があったらいいなって」。永田さんはまたひとつ願いを叶えるために今日も奮闘する。
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