週刊大阪日日新聞

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2021/2/27

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

4月 番組改編期 苦しむ在阪民放テレビ

業績改善に自主制作番組自重

 4月改編期を前に準キー局″ン阪テレビ局が、広告売り上げと視聴率のダブル低下に苦しんでいる。「コロナ禍が主要因」との分析は他産業と同じだが、背景にあるのはネット動画からの激しい追い上げだ。

 全国配信番組を一手に制作して業界を常にリードしてきた東京キー局に対し、在阪局は独自の関西色で存在感を保ってきた。ところが、今度の改編で在阪局の自主制作番組減少は顕著に。生き残りを掛けた戦いが水面下で繰り広げられている。

後塵拝するメディアの雄

人間に合わせてくれるネット、人間が合わせなければならないテレビ
広告収入のみの悲劇

 本紙は無料新聞なのでビジネスモデルは従来メディアとは全く異なるが、従来の新聞や雑誌といえば、広告と読者購買の2つの収入で成り立っている。テレビ、ラジオの民放局は、広告収入だけ。逆にNHKは視聴者からの受信料だけで成り立つ。

 民放経営に直結する広告収入は、昨年9月の中間決算時点で在京キー局が前年比10〜20%減で赤字転落。在阪局も全社赤字になった。広告を細かく分けると、番組自体のスポンサーになるタイムCMと、番組の合間に流すスポットCMがあるが、かつてはドル箱と言われたスポットCMは急激に落ち込んでいる。テレビを見ていて「最近、長めの通販広告が多いな。ACジャパン(無料の公共広告)も目立つ」と感じるのはそのためだ。

 一方でNHKは受信料の徴収を厳しくしたことで収入は最高に。宿敵インターネットとの融合では、有料受信者を対象にスマホなどで無料同時受信できるアプリ「NHKプラス」の登録数を伸ばし、ネット視聴者の取り込みに懸命だ。対して民放はNHKのような無料同時受信への完全開放は難しい。CMスポンサーとの関係もあるから、見逃し配信で遅れて1週間程度上げるのが精一杯。その差は広がるばかりだ。

不満が溜まるスポンサー

 テレビは2つの面からネットに遅れを取っている。一つ目はテレビ自体の構造だ。1局1チャンネルで、見たい番組の放送される時間に、人間が合わせなければならない。

 先日「在米日系人の8歳坊やがユーチューバーとして年収28億円」というニュースが報じられたが、番組編成に柔軟性がない地上波放送局ではこうした大化け≠ヘ難しい。使えるチャンネル数や時間帯も増やせないから、人気を呼んだ企画もすぐには拡大できない。

 もう一つは広告の減少だ。局側は「ゴールデン(午後7〜10時)だ、プライム(午後7〜11時)だ」と、視聴者がテレビの前で番組を見てくれる可能性の高い時間帯のCMを高額に設定。しかし、茶の間で家族が一緒に座ってテレビを見る習慣は過去の話で、現実は「見たい番組を録画し、CM飛ばしで見る」のだから、スポンサーの不満は溜まる一方だ。

 対してネットCMはどうか? 視聴者のアクセス履歴を分析し、趣味趣向に合わせて広告が最適化されるから、個人それぞれに関心のある広告が配信される仕組みだからムダが少ない。2019年にネット広告は2兆円を突破し、ついにテレビを抜き、全メディアのトップに立った。

過激な番組内容 マネできぬ

 テレビ局のトップは「番組作りノウハウは、ネットよりテレビ局が上。ドラマを独自制作しネットに再販し稼ぐ」と新たなビジネスモデルを語る。 しかし、果たしてそうだろうか。万人受けを目指して当たり障りのない内容に終始する今の番組作りは、安上がりなバラエティー中心で、制作費のかかる時代劇やアクションなどワクワクするような魅力に乏しい。

 対するネットは、延々と格闘技だけの中継や実戦マージャンなど、地上波で見られなくなったマニアックな独自チャンネルが多数存在する。何より驚いたのはAmazonプライムビデオで放映中のダウンタウン松本人志主宰「ドキュメンタル」シリーズだ。到底テレビでは放送できないような毒っ気が満載で、興奮しながらつい最後まで見てしまう。Amazonが制作費を持ち、吉本興業が制作。回を重ねてのDVD化は、よしもとミュージックが受け持ってさらにもうけるので吉本側にリスクはない。

 ネット番組で共通するのは、人気が出ればどんどんシリーズ化して拡大し不人気なら即打ち切りと足腰が軽い。DVDにもなっても話題性が乏しいほのぼの系地上波番組とは明らかに一線を画す。

独自番組作らずコスト削減

 われらが在阪地上波テレビ局はどうか。独自番組作りの意欲は萎縮し、明るい未来が見えてこない。毎日放送は2年連続赤字で、22年続いた自主制作の「ちちんぷいぷい」をついにあきらめ、名古屋CBC制作「ゴゴスマ」を4月からネット受けする。昨秋、深夜ワクの自社制作「戦え!スポーツ内閣」を打ち切り、東京TBS制作「バナナサンド」をネット受けしたの に続き、再び自陣を明け渡した。

 読売テレビは昨秋、朝生ワイド「す!またん」の早朝5時台放送分を30分短縮、東京日本テレビ制作の「Oha!4 NEWS LIVE」をネット受け。

 自社制作の番組をなくせば制作コストがカットでき、その時間帯に東京キー局からの番組を流すことで配信料を分配してもらえば、確かに収支は改善できる。しかし、それは自社制作能力の低下につながるから、将来を見れば存在自体が危うくなる。

 ABCは低予算のドキュメンタリー番組「ポツンと一軒家」を大ヒットさせたアイデアが光る。満を持して昨秋、人気ワイド番組「おはよう朝日です」を朝5時台スタートに繰り上げて3時間枠に拡大したが、新たな時間帯を任された川添佳穂アナ(30)が2カ月でリタイアし予想外のつまずき。気を吐くカンテレは、フジテレビ系列全国ネットで人も金もかかる火曜夜9時台ドラマ(現在は「青のSP」)制作を地道に続けている。

 在阪局の全日(朝6時〜深夜0時)世帯視聴率は昨年の年間平均で@読売テレビ8・1%Aカンテレ7・8%B朝日放送7・6%C毎日放送6・9%DNHK6・1%(ビデオリサーチ調べ)。テレビ大阪を足しても40%に届かず、約6割の人はテレビ番組を見ていないことになる。

 社名によるイメージで信頼度が高いキー局は、本業の放送収入ではなく、不動産やイベント、映画作り、フィットネス事業など多角化に熱心。しかし、これらもコロナ禍で業績不振に。在阪準キー局は、キー局に比べて5分の1程度の広告売上で経営的にゆとりがない。コロナで東京一極集中が崩れ地方再発見時代が叫ばれるのに、かつて地方企業の雄≠ニ言われた大阪の準キー局各社は想像以上に追い込まれている。

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